バラ栽培での悩みは病気と害虫が多いことですね〜。
本来バラは品種改良が冷凉なヨーロッパやアメリカで進められてきたことに加え、
多雨で.温暖な日本の気候がさらに拍車をかけているためと言われています。
多雨、温暖ということは病気や害虫の増殖・繁殖に
好条件を提供するばかりでなく、
ヨーロッパやアメリカに比べて緯度の低い日本では、
バラの生育期問( 3月から11月)が長く、病害虫の活動期間も長くなってきます。
したがって病害虫と向き合う、闘う気持ちがなければパラの栽培はうまくいかないと思います。
また、バラを初めて植えた当初や株数が少ないうちは
それほどの発生はありませんが、
年数が経つと病害虫が定住化して.株数が増えるとともに、
その被害は深刻化します。
効果の高い農薬を適切に散市して病害虫を防除するに尽きます。
さて、バラを含めて植物の病気は、人や動物の病気と同じく、
カビやバクテリア、ウイルスなどの 微生物に
感染することによって引き起こされるもので、
それらの生態を知った上で対処することが重要です。
バラの主な病気とその対策について、まずは黒点病について書きます。
具体的な薬剤散布の方法につい ては薬剤散布で説明しますね。
黒点病(黒星病)
概要
うどんこ病と並ふバラの2大病害の1つです。
黒星病とも呼ばれます。
葉に黒色の斑点ができ、進行すると黄変して落葉します。
この病気は、感染した葉にできる病原菌の胞子により伝染します。
病葉の胞子が雨を介し て伝播するので、
通常は下葉から発生して順次上の方の葉へ上がっていき、
周囲の株に広 がります。
放置すればほとんどの葉を落とし、
花が期待できないばかりか、株が弱ります。
雨の影響がない温室やビニールハウスなどの施設栽培では問題とはなりません。
路地では 4月中甸から発生し梅雨時にピークとなり、
真夏は小休止して、
降雨とともに勢いを盛り返 し台風や秋の長雨で
再びピークを迎えて11月まで続きます。
一度発生したら根絶するのが難しいので、日頃の観察と早めの処置が重要となります。
対策
冬期剪定をしっかり行い、風通しをよくし日光が全体によくあたって丈夫に育つようにします。
生育期にはダコニールかオーソサイドを定期散布して予防します。
発生したのを見つけたら治療薬であるサプロールなどの
EBI剤(工ルゴステロール生合成阻害剤:病原菌の細胞膜の形成に重要な役割を果たす
工ルゴステロールの生合成を助ぐことで病原菌を殺す薬剤)
の1つを発病株とその周辺の株に散市し、まん延を局地的に抑え、
広範囲に広がってしまったら予防薬の定期散布の際に治療薬も混ぜて使用しま す。
これらのEBI剤を連用すると、
病原菌に薬剤への耐性がつきやすいので、
発生したときの切り札として温存します。
病葉はこまめに拾って、株元をきれいにしておきます。
ちなみに、日本に自生するノイバラなどの野生パラは、
すべてこの黒点病に抵抗性があります。
(出典:日本園芸協会 ローズガーデン講座テキスト)
初めての方は、苗を購入する時に、
バラの特徴の中でうどんこ病、黒星病に対する
耐病性をチェックして購入することをおススメします。
スコティッシュファミリーのホームページに我が家のバラのフォトギャラリーをアップしました。