シュートとは
バラ用語では新しく伸びた太くてたくましい枝幹(茎)、
新しい幹になるようなもののことです。
基本的に新しくでた年には花を咲かせないようにします。
このシュートのうち、
株元(クラウン)からでたものを「ベーサルシュート」と言い
それまにあった幹から伸びてきたものを「サイドシュート」と言います。
ベーサルシュートは健全な株では毎年数本でますが、
品種や栽培条件によって出にくい場合もあります。
このベーサルシュートを適切に処理することが
バラ栽培の大きなポイントになります。
特に四季咲き性のブッシュローズや一部のシュラブローズでは
シュートが伸び始めたらタイミングよくソフトピンチをしなければなりません。
※ピンチとは
ピンチとはシュートの先端を摘み取ることです。
ブッシュタイプのバラでシュートに蕾が見えたころに先端を指で摘み取って
シュートの生長をとめて充実を図ります。
この指で摘み取ることをソフトピンチと呼びます。
(逆に、ハサミで切り取る場合をハードピンチと呼びます)
2回目のソフトピンチについても同様に蕾が付く前にやります。
この作業をやらなかった場合、
先端がほうき状に枝分かれして花が咲き。
養分を使い果たすために主幹になりません。
このあとも晩夏まで蕾がつく前か小さいうちにすべて摘み取ります。
ただし、晩秋には必ず花を咲かせます。
そうしないと、枝が柔らかいままで充実しません。
一方、花を咲かせた枝は堅く充実して耐寒性も強くなり、
主幹になる第一歩となります
ところで、ベーサルシュートは、植え付けて若い株は4〜7月ころ、
つるバラでは開花と同時期、
ブッシュローズやシュラブローズの四季咲きの成木では、
春の開花後(5g発下旬〜6月)によく発生します。
若い株は発生時期が遅れると、充実する前に冬の寒さにさらされることになり
枯れることもあるので夏までにはシュートが出るように栽培管理しましょう。
ベーサルシュートの扱い方
〇ベーサルシュートには支柱を立てない
台風などの暴風を除いて、シュートには支柱は立てません。
丈夫なシュートにするために鍛えます。
〇樹高が1.5m以上になるようなシュラブローズやつるバラは、
ベーサルシュートが自然に長くのびるのでソフトピンチは不要です。
イメージ図です
(出典: (出典:ローズ・ガーデン講座テキスト)
私も、以前はベーサルシュートの処理をしないで放任状態で、
ほうき状になった枝に貧弱な花が咲き、幹も充実しないままでした。
それでも、地植えのバラが中心だったので、毎年シュートを伸ばし
今では、主幹が3~4本あり冬の剪定で古くなった幹を切り落として
幹の更新をしています。
以前の私みたいにソフトピンチを行わずにほうき状になりかけた場合、
ほうき状の枝にはすぐに花芽がつくので、
わき芽がないことを確認してソフトピンチを繰り返してください。
また、ほうき状の枝については、蕾がでた真ん中の枝は摘み取り、
わきから伸びた枝は蕾だけを摘み取ります。
蕾を摘み取ると、その左右から新たな花枝が出てくるので、
その蕾は9月の上旬ころまでは摘み取り続けます。
その後、晩秋に向けて蕾を残し、花を咲かせるといいでしょう。
※一季咲きのバラにピンチを行うと花が咲かない場合があるので
注意してくださいね。あくまで、四季咲きのバラが対象です。