人はバラの香りを数千年前から愛し生活の中に取り入れてきました。
最近では育種が進み多くの品種が生み出されバラの香りも複雑化してきています。
バラの香りの中には紅茶のような香りのするもの、果物のようなフルーティーな香りのするものなど
バリエーションがが豊富で香りの強さも千差万別、また季節によっても香りが変わることもありますね。
そんなバラの花が香る仕組みは
光合成によって葉で作られた糖が花に運ばれ、糖や脂肪酸を材料に花でいろいろな種類の香り成分が作られます
自然に開花したバラは花弁中にある適度な水分と数百の香り成分、それとワックス様成分(花ロウ)などが香りとして揮発したものです。
さて、オールドローズの交配から誕生した「ラ・フランス」がモダンローズ(現代バラ)の幕開けとなりました。
そして近年2万種を越える品種が誕生していますがその祖先となる野生バラの香りは8種類が重要とされているそうです。
その8種類の野生種とは
1.ロサ・ガリカ ガリカ系
華やかでコクのある強い香り
2.ロサ・フェニキア
華やかな甘さとシトラスノートがミックスしフルーティーな部分もある
3.ロサ・ダマスセナ ダマスク系
強い甘さの中にラズベリー、ピーチのようなフルーティな香りがある
4.ロサ・アルバ アルバ系
ロサ・ダマスセナと類似の香気を持つが、花ろう由来のワキシーな香りがやや強い
5.ロサ・センティフォリア センティフォリア系
ダマスク香が強く香りに重厚感がある
6.ロサ・シネンシス チャイナ系
ダマスク系とは大きく異なり全般的なには新鮮なグリーン・バイオレットの香りに、ソフトで上品な甘さを持っている
7.ロサ・ギガンティア
バイオレットと紅茶のようなソフトな快い香り 蓬田バラの香り研究所の蓬田さんは「香りの皇后」と称賛しています
8.ロサ・モスカータ
パウダリーでスパイシーのやや強いダマスク・スウィートの香り
これらの原種(野生種)もとに現在のバラが誕生し私たちを楽しませているんですね。
蓬田バラの香り研究所ではこれらの香りを基に誕生したモダンローズ(現代バラ)の香りを7タイプに分類しています。
次回以降でバラを購入する時に香りの参考となる分類と香りの特長について紹介しますね。
私もバラの苗を購入する基準として、花姿や色そして香りは特に重点的に選びます。
この蓬田バラの香り研究所の「バラの香りの美学」はとても参考になりました。
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