バラの剪定とは(剪定とは何か?)

皆さんもお分かりのとおり現代のバラはほとんどが四季咲きで春から初冬にかけて花が咲き続けます

(私の住む鹿児島では1月にも咲き続けていますが・・・)


その間バラの生育は旺盛で、枝は伸び茂り、中には不必要な小枝や細枝なども伸びてきます。


さらに、日本の気候では病害虫も発生するため、少なくとも年2回くらいは枝先を切り込んで整枝する必要があります。


このような作業を剪定といいます。


ちなみに、咲きがらを摘んだり、葉が込んだところの間引きを行うなどはカットと言います。


四季咲きのバラの特性を生かすためには剪定はとても大切な作業です。



また、その他にもバラはベーサルシュートが伸びてくるのもあります。このシュートも剪定が必要です。


シュートとは元気がよくまっすぐな伸びてくる枝をを普通の枝と区別してこのように呼びます。その中で、根本より伸びてくるのをベーサルシュートと呼びます。


バラが大苗になってくると3~4年で主幹は元気がなくなり老化してあまり良い花枝を出さなくなります。そのためこのようなd古くなった枝を切り取る作業を行います。ベーサルシュートは毎年6〜8月頃にその主幹に代わって新しく根本や根に近いところから元気よく出てくる太い枝のことです。しっかり栽培管理を行っていると毎年伸びてきます。このようにして、老化した枝を新しい枝に代わることで良い花を咲かせ続けるのです。


剪定と時期と方法に続く・・・






バラの剪定に必要な道具

バラの剪定は棘のある太い枝や幹を切る作業です。その作業に必要な道具を紹介します。

1.剪定ばさみ
   バラ栽培の必需品です。
   花柄つみや細い枝、太い枝や幹を切るのに最適なはさみを選びましょう。
   いろいろな鋏が市販されています。100円ショップでも売られていますね。
   私は、楽天市場でバラ専門店で購入しています。
   
   



2.剪定のこぎり
   太い幹や枯れた幹を切る時にははさみよりのこぎりが使いやすいです。
   幹や枝が込み合ったところで使うので長いのこぎりより短めの方が使いやすいです。
   おススメののこぎりはこちらです
   
   



3.皮手袋
   バラには鋭い棘があります。はさみやのこぎりを使う時には切る枝をつかんだり、切った後の枝を片づけたりします。いずれにしろ棘が脅威です、痛いです。手を保護するために皮手袋が必要です。ゴム手袋や軍手では棘が貫通するので役に立ちません。皮手袋も必需品です。
   私のおススメはこちらです。NHKの趣味の園芸でも紹介されたバラ用手袋ですよ。
   
   


   



 バラの作業する時は必ず着けます。様々なトゲに対する作業に適しています。合成皮革素材で、軽くて丈夫、通気性にも優れ洗うこともできます。枝の中まで手を入れるので手首まであるちょっと長めの手袋がおススメですよ。

 #スコティッシュファミリー #ローズガーデン #バラコンシェルジュ #バラ栽培方法 #バラ大好き
 





   

バラの剪定(冬剪定)について

冬剪定は1年間でバラが活動を停止(休眠)している時期で、基本の株をつくるためにとても大切な剪定です。また、休眠しているので思いっきり切れる時期でもあります。(バラにとっては寝てる間にばっさい切られてかわいそうかな〜)


剪定の時期は日本は縦に長く気温もそれぞれなので、一概にはいえませんが、12月から3月上旬までかな〜と思います。私の住む鹿児島では1月もまだ蕾を付けて咲いているので(いつお休みするのだろうと株の様子を見ています)、休眠に入ってバラの芽が少し膨らみかけた時期に剪定を行います。芽が見えないとどちらに枝を伸ばせばいいのかわからないので、芽の状態を見て剪定しています。

ただ、あまり早く剪定すると遅霜や突然の降雪で早く伸びた芽が痛むので気をつけた方がいいです。


いつ剪定を行っても春の開花時期に影響はないみたいです。


さて、この時期の剪定は株の主幹を中心にして残し、他は全て思い切って強く深く切り込みます。目安として樹高の2分の1あるいは3分の2くらい切ることです。

高さは品種・株の生育状況によって異なります。樹勢強い品種・生育の良い品種は樹高の2分の1くらい切ってもいいです。反対に生育状態にあるもは刺激を与えて生育を活発にするという目的で深く切り込みます。

また、病害虫による枝も深く切り込みましょう。切った枝の中がスカスカだった場合もさらに下部に切り下げてみましょう。


私も古い枝は基本的に根本から切り新しいシュートがでるのを待ちます。全体的に3分の2くらい切り込みます。切っても、1年経つとこれまで以上に大きく育つので大丈夫です。


種類別の剪定のポイントは次回に紹介しますね。


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冬の剪定について(ブッシュローズ編)

バラはその樹形から分けるとブッシュ(木バラ)、つる性バラ、半つる性バラ(シュラブ)に分けられます。

さて、ブッシュの中でもさらに直立性、半直立性、横張り性、半横張り性など枝の出方で細かく分ける場合もあるようです。

特に、庭に植える場合はこの樹形をよく理解した上で植え付けましょう。直立性の場合は株間を大きくとる必要はありませんが、横張り性は十分とる必要があります。購入する際はこの点にも気を付けてくださね。

では、今回はブッシュローズの剪定の手順を紹介しますね。

1.込み合った枝や幹の整理、密度を減らす
  休眠すると葉が落とすのでその骨格があらわになります。
  まずは、枯れた幹、弱った幹、古い幹を根元から切り詰めます。さらに、シュートについても残すべき数を制限します。全て残すと最終的に込み合って生育が悪くなり、きれいな花を咲かせることができません。株の勢いや大きさにもよりますが、3〜4本または5〜6本残します。残す幹は元気のよいもの新しいものを残します。ミニチュアの場合は少し多めに残します。
  また、昨年開花した幹の同じ場所から2本以上の枝が出ているものは1本残し、あとは切ります。シュートが出ずに古い幹のみの場合でも、特に弱い幹は切り捨てます。
  私も最初は分からずに適当に切り詰めていました。その結果、通路まで幹や枝が伸びてきてその後の剪定(秋剪定)で苦労しました(汗)
  切り詰める場合は芽の向き(基本的には外向きの芽の1cmくらい上で切ります)も考慮したほうがいいですよ。

2.樹高を詰める
  次に残した幹の樹高を整えます。基本的に頂芽優勢(一番上の芽が優先的に伸びる)なので、残した幹の太さを基準に切り詰めます。
  細い枝幹の場合は3分の2の高さを目安に
  中くらいの枝幹は2分の1の高さを目安に
  太い枝幹の場合は2分の1の高さを目安に
  切り詰めようにしています。
  なお、鉢植えの場合は株元(接ぎ口)から20cm〜30cm位の深め剪定がおススメです。あまり高い位置で剪定すると、株元からのベー  
サルシュート(株の世代交代に重要)が出ずらくなりますし、風などで倒れやすい不安定な鉢になるからです。

3.最後に全体を見て調整します。
  混んでいるところや長すぎるところを切って調整しましょう。

※バラの花はハイブリッドティのような大輪系、フロリバンダ系の中輪、ミニチュアのような小輪系に分けられます。剪定する場合私は大輪系は大きな花を咲かせたいので深く切り詰め、中輪系はそれよ浅く切り詰め、小輪系はたくさん花を咲かせたいので枝を多く残し花数の確保するために浅く切り詰めます。

剪定する時の注意点は、よく切れる剪定ばさみを使い、幹や枝に対して水平に切るようにしてください。生け花のように水揚げが良くなるように斜めに切る必要はありません。

次回はつる性ばらの剪定について紹介しますね。

#スコティッシュファミリー #バラの冬の剪定方法 #バラの冬の管理 #ローズコンシェルジュ






  

冬の剪定について(シュラブローズ編〜半つる性のバラ〜)

シュラブローズの剪定は対象のバラの品種の開花サイクルや用途、枝の固さや柔らかさで剪定方法が異なります。

剪定の時期はブッシュローズ編と同じです。

剪定の手順についてもブッシュローズと同じです。

まずは、枯れ枝や弱い枝、古い枝を切り取ります。新しいシュートに更新するところはブッシュローズと同じです。

しかし、半つる性のローズの場合、樹高の切り詰めについては品種ごとの開花性と樹形で変える必要があります。

1.一季咲きのバラ(野生種・オールドローズなど)
   このタイプは深く切り詰めると花が咲かない場合があります。そのため、切り詰める場合は枝先を軽く切る程度にとどめます。
   私は勢いのある枝やベーサルシュートは大体3分の1くらいを切り詰めます。
   弱い枝は下から1〜3芽を残して切り詰めます。
   樹高は、全体を見て調整します。春に咲いた姿を想像して切り詰めます。

2.四季咲き、返り咲き(開帳タイプ、グラウンドカバータイプなど)
   このタイプは1/4〜1/5くらい浅く切り詰めて枝数を多くして株全体にバランスよく咲くようにします。
   深く切り詰めるのもいいですが、切り詰めた枝から勢いよく伸びた枝に多くの花が咲き、花の重さで倒れる可能性もあります。

3.四季咲き、返り咲き(直立性タイプ)
   ブッシュ状になるシュラブローズです。(ややこしいですね)
   このタイプはブッシュローズ編に準じて剪定を行っていいです。

いずれもシュラブローズはそれぞれの樹形に応じて仕立ても行う必要もあります。地植えにするとかなりの面積が必要となる品種もありますが、私は鉢植えにしてそれぞれの樹形を自然に仕立てて毎年花を楽しんでいます。鉢植えだと全体のバラの咲き具合を見ながら自由にコーディネートできるのが楽しいですからね。毎日、庭の様子を変えられるのが楽しみです。管理は大変ですが(笑)

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剪定後の切り口の殺菌について

今回は剪定後の切り口の殺菌について紹介しますね。


私は、切り口の殺菌剤として住友化学園芸の「トップジンMペースト」 を使ってます。

楽天市場の中の「バラの家」をよく利用しています。(苗もここからよく買ってます 私の推しです(笑))

トップジンMペースト 200g ※土セットと同梱可※ ZIK-10000 - バラの家 【バラ苗専門店】
トップジンMペースト 200g ※土セットと同梱可※ ZIK-10000 - バラの家 【バラ苗専門店】

これはペースト状なので、傷口ではなく切り口に塗るだけです。

これを塗布することにより有効成分チオファネートメチル含有の耐雨性の安定した殺菌保護被膜が速やかにでき、木質部の亀裂、雨水や雑菌の侵入を防ぎ、新しいカルス(ゆ合組織)の形成を促進し、病害の感染を防ぎます。(商品ページより)

これを使用する前は、たまに剪定後の切り口から枯れ始めたこともありました。そうなるとさらに切り詰めなければならなくなり、理想とする樹形になりませんでした。小さな枝は塗る必要はありませんが、太い枝や幹には塗ることをおすすめします。


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冬の剪定について(クライミングローズ編〜つる性バラ)フェンス仕立て

つる性バラも剪定の時期はブッシュやシュラブと同じで、思い切って切れるチャンスです。

つるバラは原則的にはそれまでの誘引を全て取り外しゼロからやり直します。これをしないと頂芽優勢で上の方だけが繁茂し風で倒れやすくなるだけでなく、シュートも出にくくなりますね。

剪定・仕立ての手順

1.葉は全て摘み取る
   葉が残ったままだと枝や株の姿がわかりづらいので全て摘み取ります

2.不要な枝を切り取る
   1年経ったつるバラは多くの枝が伸びて姿が乱れていると思います。まずは株元にある古い枝や枯れこんだ枝などをつけ根から切ります。太い枝や幹はのこぎりを活用しましょう。また、力のない枝も根元から切除しましょう。
   ※家のフェンスに誘引する場合は何本の幹が必要になるかを見極めて、扇状になるように切り詰めましょう。その際、花つきの良いベーサルシュートは残します。古い枝にサイドシュートが出ていたら古い枝は切りサイドシュートを残します。いずれの幹も先端から30cmくらいから切り詰めると良いと思います。もし、仕方なく古い枝を残す場合は開花枝を2〜3芽残して切り詰めるといいと思います。ただ、株元の細い幹や枝はある程度残しておけば、株元から上の方までまんべんなく花が咲くので外から見ると見栄えがすると思います。

3.太く長い枝から誘引して剪定します。
   残した幹のうち古いものからフェンスに誘引します。誘引する際は少なくとも水平以上に寝かせないと頂芽優勢で先端のみが伸びて花数が減る場合もあるので、これまでの花の付き方枝の伸び方を見て誘引するようにしましょう。また、フェンスに結ぶときはシュロ縄を使い、フェンスに下から上に結ぶと自然な感じになります。

4.細く弱い枝は取り除く
   結束した枝や幹からまだたくさんの細い枝が出ているものは切除しましょう。たくさん枝が残っていると栄養が分散してしまい立派な花が咲かなくなるので数本に制限しましょう。
   また、フェンスからはみ出した枝も無理に誘引せずに切り取りましょう。

5.最後に全体の姿を見て調整しましょう。

フェンス仕立ては改めてフェンスを作るというより、すでに家の周囲にブロックにフェンスがあると思います。植木の代わりにつるバラを植える場合は1.5〜2mの間隔で植えるといいと思います。品種は四季咲きでフェンスの高さも考慮してつるバラを選ぶといいと思います。つるバラはもちろんオールドローズのランブラー系もおススメです。

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バラの夏剪定について

バラの夏剪定について説明します。

夏剪定は、気候のよくなった時期に開花のピークを持っていくために行うもので、
主として四季咲き性のブッシュが対象になり、
時期は8月下句から9月上旬、遅くとも中旬までに行います。
(地域によって時期は変わります、地域ごとの剪定時期を参照)
涼しい時期に向かいますので遅れないよう心がけます。
生育期なのであまり強くは切れませんが、
冬の剪定と違って切る時期を変えることによって開花時期を調節できます。

バラの樹形ごとの剪定について説明しますね。

1.ブッシュローズの夏剪定
(1)夏の剪定の目的と注意点と時期
   夏の剪定の目的は、
   〇夏の間に伸び放題になった枝幹を切り下げて見やすくすることと、
   〇込み合った枝を間引いて透かしてやることです。
  生育期なので強く切っては いけません。
  遅咲きのものを早めに切り、早咲きのものを遅く切ることによって
  秋の開花期を合わせることも可能です。
  冷涼期に向かうため、5日遅れると開花10日以上遅くなることもあります。
  なので、夏剪定を行う場合は一斉にするこをおススメします。

  しかし、すべてのバラを剪定していいかというと、そうではありません。
  剪定をして良い前提条件としては、
  十分な葉をつけたまま夏を越すことができたバラです。
  黒点病や ハダニなどの病害虫のせいで下葉を落としてしまった株、
  ほとんど葉が残っていない株、
  1年の新苗などは剪定する ことができないばかりか、
  秋の花自体がまったく期待できません。

  時期は前述の通り.8月下旬から9月上旬・中旬で、遅くとも9月15日位には終 えるようにしましょう。

  剪定の時期は地域によって異なるので、剪定時期については後記します。

(2)夏の剪定の順序
  @樹高を詰める
    冬と違って生育期なので葉が茂って全体像が見えにくいため
   樹高を詰めることを先行します。
    これも冬と同様、新しく発生したシュートと春に間花した枝幹ではやり方が異なります。
   ア.新しいシュート
     ピンチ処理をして枝分かれをさせたシュートでは、
    分かれた枝2 本とも、分かれた部分から葉を3~4枚残した所で切ります。
     ピンチをしなかったシュートはほうき状に枝が出てしまっているので、
    下の枝を2本残し.上の枝を切ます。
    残した2本は同様に葉を3~4枚つけた長さで切ります。

   イ.春に開花した枝幹
     2番花をつけた枝を3〜4枚の葉を残して切ります。
  A密度を減らす
    枯れた枝幹、弱った枝幹を元から取り除きます。
    残した枝幹についている弱小枝や内側に向かって伸びている枝を取り除きます。
  B仕上げ
    密度を減らしたら株全体を眺め、
   バランスを考えながら細かい部分を選定し
   込みあっている所や長すきる所を切って調整をしましょう。

   夏の剪定(ブッシュ).png

2.シュラブローズの夏剪定
(1)夏の剪定
   時期はブッシュに準じます。
   四季咲き性の強いブッシュタイフにのみ行い、そのやり方はブッシュに準じます。
   それ以外のタイプで繰り返し咲きのものは
  強く切ると枝梢が長く伸びるだけで花芽をつけない危険性がありますので、
  軽めの整枝または咲きがらを摘みとる程度にとどめます。
   一季咲きのものは秋には花が咲かないので、
  細枝や枯れた幹を取り除き透かせてやりますが、
  冬に切ってしまう古い幹をこの時期に元から取り除き、
  密度を下げてやれば病害虫の発生を軽減できます。

3.クライミングローズの夏剪定
(1)夏の剪定・誘引
   特には行いませんが四季咲き性の強いものはブッシュと同じ時期に咲きがらを摘み、
  軽く整枝をすることによって秋の花をブッシュに合わせることができます。
   一季咲きのものは来年春まで花が咲かないので、
  新しいシュートが発生した数に応じて古い幹元(冬に切る予定の)
  から取り除いて茂り過ぎを抑えてやれば、
  病害虫の軽減につながります。
   これは新しいシュートの生育を見ながら随時行います。
   そして 新しいシュートは寝かせると側枝が多数発生しますので、
  また途中で折れないよう、随時時長い支柱に数本ずつまとめて軽く結束しましょう。

  (地域ごとの剪定時期)
  地域毎の剪定時期.png

 (参考:日本園芸協会 ローズガーデン講座テキスト)

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